はじめに

警備業務で頻度が高いのが「拾得物対応」。
財布や現金、鍵など日常的に扱うものだが、「施設内」と「施設外」で対応が大きく変わる。
正しい手順を知っておかないと、思わぬトラブルやクレームにつながるため注意が必要である。


1. 施設内で拾得された場合

  • 提出期限:24時間以内に占有者(施設管理側)へ提出する。
  • お客様から直接渡された場合
    • 原則は拾得者本人がインフォメーションへ届ける。
    • 警備が受け取る場合は「権利放棄(報労金・所有権)」について必ず説明する。
    • 了承を得たうえで、警備とインフォメーション従業員で中身を確認し処理する。

【NG例】

  • 権利放棄の説明をせずに受け取ってしまう
     → 後から「謝礼を受け取れるはずだった」とトラブルになる可能性がある。

2. 施設外で拾得された場合

  • 提出期限:1週間以内に警察へ届ける。
  • 警備の対応
    • 原則として受け取れない。
    • 拾得者本人に「警察へ届けてください」と案内する。

【NG例】

  • 善意で施設外の拾得物を防災センターで保管してしまう
     → 法律上の提出義務に反し、後で責任問題になる可能性がある。

3. 拾得者の権利について

  • 拾った人には「報労金を受け取る権利」と「3か月後に所有権が移る権利」がある。
  • 他人(警備や施設従業員)に提出した時点で、その権利は放棄される。
  • 説明をした上で、拾得者が納得して預ける場合のみ受け取る。

4. 金銭を含む拾得物の場合

  • 中身(金額)を必ず確認する。
  • 理由:虚偽申告による謝礼トラブルを防止するため。
    • 例:「100万円入っていた」と虚偽を言われるのを防ぐ(極端な例だが)。
  • 金額確認により、正確な記録と謝礼計算が可能になる。

【NG例】

  • 金額確認をせずに預かる
     → 後で拾得者・落とし主の言い分が食い違い、警備が責任を問われる可能性がある。

5. 所有権移転後の扱いについて

  • 拾得物法に基づき、落とし主が現れない場合、3か月を経過すると拾得者または占有者(施設管理者)に所有権が移る。
  • ただし、その後の扱い(利用・保管・破棄など)は各施設の方針により異なる
  • 一般的には、施設は所有権を主張せず、最終的に廃棄や処分となるケースが多い。
  • この部分は「施設独自のルール」として理解しておく必要がある。

まとめ

拾得物対応は「施設内か施設外か」の区別に加えて、

  • 拾得者の権利を正しく説明すること
  • 金銭の場合は必ず金額を確認すること
  • 法律上受け取れない物は受け取らないこと
    が重要である。

対応を間違えると、後からクレームや責任問題に発展する。
現場では流れ作業になりがちだが、ルールを意識して冷静に処理することが求められる。

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