はじめに
落とし物対応というと「拾ったお客様が届けてくれる」というイメージが強いですが、実際にはそれ以外のパターンも存在します。
特に施設で働く従業員やイベントスタッフが巻き込まれると、処理がややこしくなることが多いんです。
今回は、少し変わったケースを書いてみます。
1. イベントスタッフに“お金を渡す”お客様
ある日、イベントスタッフ(若い女性)が困った顔で防災センターに来ました。
話を聞くと「男性客から急にお金を渡され、どうしたらいいか分からない」とのこと。
これは落とし物ではなく、その人のポケットマネー。
しかも後でわかったのは、その人が複数のスタッフに同じことをしていたという事案でした。
本人は“気前よく振る舞っているつもり”かもしれませんが、現場にとっては迷惑以外の何物でもありません。
スタッフにはこう伝えました。
「まずは所属しているイベントの責任者に報告してください。そのうえで、責任者から正式にインフォメーションへ届けてもらう形にしてください」と。
👉 ポイント
- 警備が直接処理すると「主催者が知らないまま事案が処理された」となり、後で揉める原因になる。
- 所属部署の責任者を通すことで、事案としての性質も含めて主催者が把握できる。
2. 所有権が施設に移るケース
遺失物法では、落とし主が現れないまま3か月経つと「拾得者」か「施設の占有者」に所有権が移ります。
ただ、現場の実態としては施設が「じゃあ使おう」となることはまずなく、多くは処分されます。
法律上は権利が発生するけれど、実際には「利用することはない → 廃棄」という流れが一般的。
ここには法律と現場運用のギャップがあります。
抽象化したまとめ
このケースを通して思ったのは、結局これは「責任の筋を通す」話なんだということ。
- 管轄内で起きたことは、まずその管轄の責任者が把握すべき
- 責任の流れを飛ばすと「なぜ勝手に処理した」と不満や混乱が生まれる
- 警備は「全部自分で処理する人」ではなく「正しい流れに導く人」
学校や会社でも同じですよね。
クラスでトラブルがあれば学級委員や担任に、会社ならまず上司に、家庭なら親に。
責任を持つ人に情報が集まるからこそ、組織はちゃんと動く。
だから警備の現場でも「責任者を通す」ことが大事なんだと感じます。